【スクールカウンセラー】積極的に利用しよう!でも学校に配置されていない場合はどうしたらいい?
2023.09.20更新
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こんにちは。ちびらいおんです。
お子さまが不登校でこのブログにたどり着いた方、平日の日中に自宅でお子さまと過ごしている方、こんなことを思ったことはありませんか。

まさかうちの子が不登校になるなんて。どうしたら登校してくれるかしら。
フリースクールがある現代、何が何でも登校させなければならないというのは「古い考え」と言われそうですね。息子の通っていた公立B小学校にはスクールカウンセラーの面談日が設けられていたので、教頭先生の勧めもあり利用していました。B小学校にはこんな子どもたちがいました。
- 集団が苦手。教室に居られなくなったら別室で学習をする。
- 完全不登校。自宅で家族と料理などをして過ごし、その成果をGoogle Classroomで報告する。
- 塾などで先取り学習をしていたため、学校の授業がつまらない。面白くない。
- 2時間目からであれば授業に参加できる。
これらはほんの一部かもしれません。お子様が学校に行きたがらない理由は、一番近くの親が理解することがお子様の安心につながります。
とにかく「なんとかして登校させなくちゃ」という思いは一旦忘れましょう。
言葉で言わなくてもお子様には伝わってしまうものです。
【ひとりで悩まない】専門家を頼ろう
学校に行かない子どもがいることをどこに相談したらよいかわからない場合があります。
あえて相談したくない場合もあるのかもしれませんが、
まずはお住まいの行政サービスを検索してみましょう。必ず相談窓口があります。
学校によってはスクールカウンセラーの常駐や、月に1〜2度相談日が設けられている場合があります。
息子が転校前に通っていた公立A小学校にはカウンセラー相談日はありませんでした。市の保健センターの保健師がその窓口だったかもしれません。学校には「ことばの学校」のような特別指導教室が設置されてはいましたが、担当は学校の教員のみでカウンセラーではありませんでした。
息子は特別指導教室で過ごしました。
子どもに寄り添い、子どもペースで関わっていただき、わたしの悩みを聞いていただきましたが、ある日専門家を紹介されました。

紹介されたのは児童精神科。自分の子どもが精神科受診か・・・
偏見かもしれないけどなんか複雑。でも少しでも前に進めるのであれば受診してみよう。
紹介された病院はどこも予約でいっぱいでしたが、その中でも一番早く予約の取れた病院に行くことにしました。
起立性調節障害の疑い? 児童精神科受診
夜更かしをしていないにも関わらず朝起きられないという状況が続き、結果として学校に行けない日が続いていたので児童精神科を紹介されたのかもしれません。
生活リズムを整えようとしても難しかったので、本人了承の上受診しました。
受診した病院は障がい児施設も併設しており、デイサービスも盛んでした。
初診時の問診票には母子手帳を見ながら、生まれた時の身長や体重などたくさんの情報を書き込みました。
問診票はA4サイズ3枚ありました。
担当の先生は女性でした。私から見て優しいお母さんのような感じでとても話しやすかったです。また、精神科ということで受診の時間もたっぷりゆったり。時間がかかってもうまく言葉で表現できないような話にも寄り添っていただきました。
朝起きられないということに対しての検査(起立性調節障害の検査)を別日に受けましたが陰性。
異常なしでした。
試しに血圧を上げる薬「ミドドリン」を、目が覚めた時に布団の中で1錠口に含み、30分くらいで血圧が上がってくれば起き上がれるだろうという話でしたが、効果は感じませんでした。
起立性調節障害ではないですし。。

受診を通して学んだことは、障がいを持つ子の親はみな笑顔だということ。うまく話せなくても、わがままを言って騒いでも笑っています。そういう姿に大変衝撃を受けました。
もしかしたら、子どものための受診ではなく、親の勉強のための受診だったのではないかと思うほどです。敷居が高いと感じるかもしれませんが、普通の小児科を受診するような気持ちで相談してみることをオススメします。
一度専門家に相談すると「こころが軽く」なりますよ。
スクールカウンセラーとの面談
誰に言われたわけでもありませんでしたが住環境を変えるため、引越し、転校しました。
卒業まで同じ学校が良いのではとも思い悩みましたが、長男が転校してもいいと言ってくれたこともあり、祖母の住む行き慣れた土地の公立B小学校に転校しました。
その学校にはスクールカウンセラー面談日が設定されており、転入の時に教頭先生から面談を勧められました。
面談を勧められていなかったら、子どもではなく私自身がつぶれていたかもしれません。
スクールカウンセラーの役割を再確認します。
- スクールカウンセラーの役割
- スクールカウンセラーは、1~7のような児童生徒が抱える問題に学校ではカバーし難い多くの役割を担い、教育相談を円滑に進めるための潤滑油ないし、仲立ち的な役割を果たしている。
1 児童生徒に対する相談・助言
2 保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)
3 校内会議等への参加
4 教職員や児童生徒への研修や講話
5 相談者への心理的な見立てや対応
6 ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応
7 事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア
引用元:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/066/gaiyou/attach/1369846.htm(文部科学省HP)
カウンセリングは予約制、予約窓口は教頭先生でした。予約日時に学校に出向き、玄関で担当の臨床心理士であるスクールカウンセラーとご挨拶をして相談室に向かいます。
約1時間の面談では、私自身のこと、子どものことなど思いつくことをたくさんたくさん話しました。カウンセリングを受けた経験のある方はお分かりかと思いますが、カウンセラーは一切メモを取りません。ずっとこちらの話に耳を傾けてくれ、途中で話の要点を伝えてくれます。こちらが何を言っているかわからなくなるような場合でも安心です。子どもの不登校や生活リズムに関する相談をする目的の面談であっても、家族関係の話になっても構いません。最後まできちんと聞いてくれます。

これがカウンセリングですね。
私自身、以前職場の同僚である臨床心理士・公認心理士にカウンセリングを受けた経験があったのですが、今回もやはり「臨床心理士のすごさ」を改めて感じることになりました。本当に心が軽くなりました。

親のこころの状態は子どもに伝わりますよ。
以前私自身が受けたカウンセリングも今回も同じ雰囲気で、落ち着いて話をすることができました。準備してきた相談以外の思いついたことも全て受け入れてくださり、ホッとした気持ちで帰路につきました。
スクールカウンセラーは児童生徒と保護者だけでなく、「教職員」に対する相談にも応じる役割があります。「教員は全能」といわれた時代はすでに終わっています。中立的立場のスクールカウンセラーの力を借り教職員もカウンセリングを受ける時代です。
公立小学校では期に一度くらいは「こころの相談窓口などに関するお便り」がありました。
しかし、私立中に1年通いましたが、そういう類の案内は一切ありません。
職員はOBが多く、新しい風を校内に入れたがらない。もちろんこれは私の主観です。
しかし昔はこうだった、昔からこうしてきたのだからこのままで良い、というような「古い感覚で運営している」と感じます。
カウンセラー個々の質の問題も言われているので、導入をためらうこともあるのかもしれません。
公立小中学校は教育委員会がスクールカウンセラーの配置を進めているので、公平に相談日が設けられています。しかし、私立学校は全く方針が異なるので注意が必要です。
【相談窓口へ電話した結果】私立中にスクールカウンセラーがいない場合、担任以外は学校法人本部へ相談するしかない
息子について担任に相談。しかしそこで感じた違和感。
誰に相談すればいいのかわかりませんでした。学校にはスクールカウンセラーがいません。
そこで市のHPに出ていた「子育てに関する何でも相談窓口」に電話をしてみました。

匿名で相談したいのですが、可能でしょうか。
通っている私立学校にスクールカウンセラーがいないので、相談先に困っています。

学校名を教えてください。

学校名も言いたくありません。相談したい内容で個人が特定されるので。

わかりました。どのようなご相談ですか。
この「子育て相談窓口」はどのような悩みでも聞いてくれます。聞いてはくれました。
相談内容によるんだと思いますが、最後にこう言われました。

ご存知の通り、お子様の通われている学校は市立ではないので、こちらから学校に働きかけることができません。
私立学校の場合は学校法人の本部にご相談していただくしか方法はありません。

そうですか。
相談の内容によってはこの電話窓口で解決できたかもしれませんが、基本的には私立学校は学校法人内で解決できるよう働きかけるしかないということがわかりました。
学校法人本部とは以前から話をしていたこともあり、今回の電話相談でも結局「学校法人本部に相談してください」と言われたことで、私の相談ごとは先に進まない=解決に近づけるには時間と労力がかかるということがわかりました。
思春期外来への受診予約
私立学校にスクールカウンセラーがいない場合の相談先は学校法人の本部。そのことに衝撃を受けたわたしがとった行動は、思春期外来への受診予約でした。
精神科やメンタルクリニックに受診するとなれば抵抗のある方も多いでしょう。しかし不登校小学生時代に児童精神科に受診した経験がある我が家には抵抗がありませんでした。
しかし、通っていたクリニックではないので、一から生育歴などを伝えなければならないという負担はありますね。
また、精神科は完全予約制のところが多いので、「今」受診したくても難しいのが難点です。
わたしの予約したクリニックは、このようなシステムでした。
- 予約時間に電話をかけ初診だと伝えると看護師に代わりました。
- 簡単な問診があり、伝えた後は一旦電話を切り、病院からの連絡を待つ。(明日になる場合もある)
既往歴、投薬歴、生育歴、通学先学校名、指名年齢、相談内容(おおまかに)、今困っていることなどとても優しく対応してくださいました。 - 相談内容は医師に報告され、受診指示があった場合に予約を取得できる。
- 病院から受診可能と連絡があり、予約日時が決定する。

でも精神科って予約が数ヶ月先ということがほとんど。
受診日が待ち遠しい・・・
学校名を聞かれたので、ここではもちろん正直に伝えましたし、受診理由の一つとして「スクールカウンセラーがいない」と言ったところ、電話口の看護師さんが「え?そうなんですか。」と答えていたのが大変印象的でした。
昔からある有名な学校なのにスクールカウンセラーがいないということに驚いたのかはわかりませんが、運よく10日後に受診予約が取れました。
それまでの間、どう乗り越えようか・・・
まずは母子手帳を見直し、生育歴をまとめておくことにしました。
【別の窓口にメール相談した結果】教頭に相談し、解決の糸口が見つかる
思春期外来を一度受診したあと、メール相談窓口を見つけたので相談してみたところ、「担任がダメなら、教頭に相談するのはいかがでしょうか。」との返答。
学年担当には生徒指導担当教諭もいますが、現時点で学年担当がチームとなって対応してくれていないと感じていたので、相談するのには抵抗がありました。しかし教頭とは話をしたことがなかったので、ざっくばらんに話をしてみる価値はあるのではないかと思ったのです。
今まで校長、副校長、寮教諭、担任とは話をしてきました。
いきなり面識のない教頭に電話をしてもいいものかと迷ったのですが、我が子のためになんとかしなければならないという強い意志があったので、数日悩んだ末に思い切って教頭に電話をつないでいただきました。
教頭の第一声、声の調子からして今までの教諭とは異なる感じのいい対応に思わず涙があふれ、子どもへの対応に疑問を感じていることを尋ねてみました。すると「お母さん、話してくれてありがとうございます。もっと早い段階で電話をしてくだされば苦しい思いをしなくてすみましたよね。申し訳ありません。」と。
教頭は息子の教科担任ではないので直接は知らないのですが、休んでいる生徒がいると言うことは聞いていたとのことでした。学年担当教諭チームが機能していないので今回のようなことになったと推測できるとのことでした。予想した通りの回答です。
私はその日のうちに教頭のところに出向き、今まで外部機関に相談した内容について全て話しました。
結果、光が見えたのは言うまでもありません。
本当にあったひどい話
生徒指導時に公私混同する教員
生徒指導場面でこんなことがありました。
教員Aの親が危篤状態になりました。実家へは車で10時間ほどかかります。
教員Aは一睡もせずに職場と実家を何度か往復しました。
理由は、仕事も親も大事だったからです。(本人談)
それはそれで責任感があると言えばそうでしょう。
その後不幸にも教員Aが職場に戻ったときに親が亡くなったと連絡を受けます。
親戚からは、親の死に目に会えなかったことを大変責められました。
その時に問題を起こした生徒とその場にいた親に向かって
「自分が職場に戻ったことで親の死に目に会えなかったことを親戚から責められた」
と言ったのです。
わたしが言いたいことは以下の3点です。
- 危篤状態である親のそばを離れ、職場に戻ると決めたのは教員Aである。
- 生徒が問題を起こしたことと、親を看取れなかったことは別である。
親を看取れなかった悔しさは理解できます。
その時に生徒が問題を起こさなければ職場に戻ることもなかったかもしれません。
親戚からは当然責められなかったでしょう。
生徒が起こした問題がどのようなことなのかは詳しくはわかりませんが、
問題を起こすには理由があり、単純なものではないと思うのです。
問題児として扱われているかもしれない生徒は、十分に適切なケアがなされているのか?
そのように思うのです。
やはりスクールカウンセラーがいないことも問題なのではないかと思います。
教員も人間、感情的になってしまったのでしょう。
指導の場では教員Aの声と手が震えていたそうです。
「教職員のためにもカウンセラーは必要」だと思うのです。
私立学校にスクールカウンセラー配置が進まない理由
公立学校は市町村の教育委員会が一律にスクールカウンセラーの配置を進めています。
しかし私立学校は人件費の問題もあり採用に踏み切れないという背景があります。某私立学校はスクールカウセラーを配置しない理由について以下のように話しておられました。
「学校理念のとおり、私たちの力で生徒に愛情を持って接することで解決させます。外部の人間が入ることでどちらに転ぶかわからない。以上の理由から現時点でスクールカウンセラー導入の予定はない。」
カトリックのミッションスクールだからというのもあるのでしょう。しかし時代遅れ感も否めません。
進学先のスクールカウンセラー配置状況は必ず確認しよう
私には「私立中高一貫校にはスクールカウンセラーがいるはずだ」という思い込みがありました。確認すべき一番大事なことだったかもしれません。
不登校児が寮生活をするとなれば、「何かしらつまずくことがあるかもしれない」と母として予測できていなかったことが一番の問題でした。完全にリサーチ不足です。
有名校にはスクールカウンセラーが必ずいるというわけではありません。
私立だからこそ、学校独自の方針で配置するかどうかを判断しています。現在スクールカウンセラーを利用している皆さんは特に、受験校を選ぶ際の判断基準にしてほしいと思います。
全国の私立中学のスクールカウンセラー配置状況一覧はここをご覧ください。
グレーゾーンの受け入れ可否についても記載されています。
せっかく入学しても、入学後に困ることのないよう必要な情報の一つとしてスクールカウンセラーの配置についてご紹介しました。
中学受験を応援しています。

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