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こんにちは。しろももです。
ラサール石井さんの「ラサール」ってなんだろう?というところから学校名だと知った昭和子ども時代。鹿児島にもラ・サール学園がありますが、何が違うのでしょうか。知人の医師のご子息は鹿児島ラ・サール学園に通っており、充実した学生生活を送っているようです。
函館ラ・サール学園ホームページの学校紹介動画をご覧いただくと、テレビで聞き覚えのある声のナレーションが始まります。函館ラ・サール高校のOBなんだそうです。
興味のある方はぜひご覧ください。
有名校なのになぜか札幌圏の中学受験塾ではあまり名前の聞かない「函館ラ・サール中学校」ですが、たくさんの魅力を感じたのでご紹介します。
部活動も強い進学校
中高一貫校というと勉強優先というイメージが先に立ちますが、函館ラ・サールは部活動にも力を入れており、特に高校のラグビー部は「3度花園に出場」しています。
そんなラグビー部に入りたいという子が、函館ラ・サール高校を受験したという実話をご紹介します。
進学実績で函館ラ・サール高校に進学を決意
札幌在住Aさんのお子さまは、ラグビー強豪校への進学を目指していました。
・自宅から通学可能な就職に有利なY高等学校
・寮生活の進学に有利な函館ラ・サール高等学校
どちらも花園大会出場校。ラグビーの強豪校です。
結果として将来を見据えて「進学に有利な函館ラ・サール」を選択したというのです。
函館ラ・サール学園の入試説明会に行ったときのことです。子どもとともに参加していたお父様が
進学校なのになぜそんなにラグビーが強いのですか。どういう指導をしているのですか。すごいなあと感心しています。
と質問されていました。
スポーツ推薦やスポーツコースがあるわけではありません。
成績が悪いと部活動に参加できないというルールがあるので勉強も頑張るのです。
函館ラ・サールはラグビーの全国大会である花園大会に出場するほどの強豪校ですが、「勉強も部活動も一生懸命やる」というのがラ・サールスタイルなのです。
部活もそこそこに切り上げて放課後の自習の時間を重視する進学校もあるなかで、好きなことを思いっきりできるのが函館ラ・サールだと力強く話していたのが印象的でした。
カトリックのミッションスクール
我が家はカトリックではないんですが・・・
問題ありません。
週1回、宗教の授業があるのでカトリックについて学ぶことになりますが、信仰している宗教によって対応を変えたりということもありません。
私は大学の必修科目として仏教を履修しましたが、自分自身を見つめることにもなり、大変貴重な学習だったと振り返ります。宗教が違うとはいえ、大変有意義な学習になるでしょう。子どもにとって新鮮な教科だと思います。
函館ラ・サール学園の理事長はカトリックの修道士でもあります。厳かな空間で受ける授業は特別な時間となるでしょう。世界中のラ・サール修道会のブラザーが函館に来られる時には交流できるようです。
高校受験 他校を受験をする子もいる
函館ラ・サール中学校に入学しても、高校受験をして他校に進学する生徒もいます。理由は分かりません。
完全中高一貫校ではないので、公立中学校の生徒が受験をして函館ラ・サール高校に入学することができます。
函館ラ・サール中学校から函館ラ・サール高校へ進学した子を内部進学生(内進生)、他校から函館ラ・サール高校へ進学した子を外部進学生(外進生)と表現しますが、皆仲良く学校生活を楽しんでいる雰囲気が学園祭から伝わってきました。
ネット環境なし、大部屋寮で真の人間力を高める
函館ラ・サール学園は高等学校の方が歴史が長く、中学校は25年ほど前にできたばかりです。大部屋寮が特徴で、スマホもタブレットもPCもゲームも禁止という現代っ子には厳しい環境です。
そんな環境は時代遅れなのでは? 今やネットなしでは何もできないでしょ。
そう思われるのも当然でしょう。
昔は100人部屋だったそうですが、現在は50人部屋です。これは日本唯一なんですね。
コロナ流行をきっかけに隣り合う二段ベッドも上下左右は空けるようになったとのこと。コロナ以前は横を見れば同級生がいるという環境でした。(子どもたちにとっては最悪な環境と言えそうです。)
誰かのいびきに笑いが出ることもありますが、就寝後は小声でも話してはいけないというルールがあります。喋った人を注意するために声を出すことすら許されません。厳しいですね。カトリックだからなのでしょうか・・・
修学旅行気分の小学7年生ですから、就寝時刻を過ぎると騒ぎたくなる子もいるそうです。先生に見つかると当然指導があり親に電話で報告されるというのがお約束と聞きました。
時にはトラブルにもなるけれど先輩や先生が近くで見守ってくださるからこそ成長できる。大部屋であることによって他のどの中高一貫校の寮よりも人間性が育つのではないでしょうか。
中学3年間は大部屋、高校寮は4人部屋です。
高校から入学した寮生は初めの1年間大部屋、2年生からは気の合う仲間との4人部屋になります。(部屋は自分たちで決めてよいそうです。)
寮生は何をして遊ぶのか
自宅では子どものスマホ漬けに困っていた親御さんも多いのかもしれません。
スマホのない寮では、どう生活したらいいかわからないと初めは思うのかもしれません。
寮にはで卓球台があるため、卓球で遊んだりボードゲームをしたり。友人とお菓子を食べながらお話ししたり、ピアノ室で楽器の演奏をしたり、気分転換に外出をしたり。スマホがなかった時代の遊びとでも言うでしょうか。親世代が経験した子ども時代遊びをするようです。新鮮なのかもしれませんね。
電子機器類に囲まれる生活をしてきた子どもたちにとっては、スマホ禁止と聞くと函館ラ・サールには行きたくないと即答するでしょう。常に周囲には友人がいて全国から来た同級生たちといろんな話に花が咲くと言う経験をします。ゴールデンウイーク頃までにはスマホがなくても楽しく生活できるようになります。
そしてゴールデンウイークの帰省時に再びオンラインゲームなどに触れてリセットされてしまうようです・・・
親離れ、子離れ
12歳の子に集団生活ができるのか。きちんと制服を着られるのかなど心配ごと盛りだくさんですが、チューターに任命された先輩がお世話係をしてくれるので安心かと思います。ネクタイの結び方も教えてくれるようですよ。
ホームシックにもなるけど、ゴールデンウィークを過ぎれば慣れてくるものです。
送り出した親も、初めの頃は自宅に息子がいないことに違和感を覚えますが、寮教諭からの細やかな近況報告が学園寮のブログでわかるので、距離的には離れているものの近くにいるような不思議な感覚さえあると言います。
【実体験】函館ラ・サール出身の医師は大変穏やか
私は看護師として25年間総合病院で勤務しました。当然何人もの函館ラ・サール出身の医師と一緒に働いています。
「この先生怒らないし穏やかだな」という場合はだいたい函館ラ・サール出身です。たまたまなのかはわかりませんが、大変働きやすく人柄のいい医師しか知りません。
函館ラ・サールの言う「人間力」とはこういうことなのかと肌で実感しています。
一方他の進学校出身の医師はプライドが高く、すぐに不機嫌になりコミュニケーションさえ取りづらいという経験が山ほどあります。
ただお勉強ができればいいというモノではありません。
特に医師ともなればみんなから「先生」と言われる立場、特に高齢者は先生の言うことは絶対だと言いますし、病院には普段着ないようなよそ行きの服や靴でオシャレをして受診に行く人は多いです。
患者様に高圧的に接している医師ほど残念なものはありません。今は患者が医師を自由に選べる時代ですし、患者様から人気の医師ほど予約でいっぱいということはよくある話です。
【気になるお金の話】令和5年度 納入金一覧(入学・入寮費を除く)
費目 | 月額 | 年額 |
---|---|---|
授業料 | 38,000円 | 456,000円 |
図書費 | 300円 | 3,600円 |
施設設備充実費 | 8,500円 | 102,000円 |
生徒会会費 | 1,250円 | 15,000円 |
PTA・母の会・協力費 | 1,550円 | 18,600円 |
研修旅行積立金 | 11,000円 | 132,000円 |
計 | 60,600円 | 727,200円 |
ゆうちょ銀行から「毎月引き落とし」もしくは「一括振込」となります。
費目 | 月額 | 備考 |
---|---|---|
寮費 | 80,000円 | |
寝具費 | レンタル 年額20,000円 途中退寮の場合は買取となる。 |
こちらもゆうちょ銀行からの引落です。
その他の費用は、お小遣いくらいなものです。
寮では500円までしか所持できないという決まりがあり、1ヶ月上限額は7,000円。事務室で出納手続きをします。お小遣い帳にも記入して寮母さんがチェックするというシステムがあります。
使いすぎると「出金停止」となるようです。
授業進度と自己学習
中高一貫校ですので公立中と比較すると授業進度は「はやい」です。
数学を例に挙げると中2の夏休み明けには平方根(中3の内容)を学習しています。また、中1の時に関連している内容(高校で習う内容)も併せて教えてくれるそうですので、興味のある子はどんどん賢くなるんでしょうね。
自宅から通う「自宅生」は入試の時点で専願制度を使っている場合があり、合格基準が低いことが考えられます。そのためか塾に通っている子もいるようですが、寮生は土曜日を除く「義務自習」の時間で学習をしますので塾に通う子はごく少数、学年が上がるにつれ近所の東進中学NETに通う子が増えるようです。義務自習時間には学校の宿題のほか、進研ゼミなどの紙の通信教材を使う子もいるようです。
義務自習中は私語厳禁。放課後や休み時間などに先輩が教えてくれたり、時には同級生同士で教え合うといいます。朝は5時に起床して自習室で勉強する子もいるそうですが、眠っている子の睡眠を妨害しないように注意をしなければなりません。
これも集団生活ならでは。学ぶことがたくさんです。
子どもを自宅から離れた寮に入れることに不安を覚える親御さんもいらっしゃると思いますが、函館ラ・サール学園は、大人が子どもたちに父・母・兄・姉のように接してくださるのだそうです。
日本唯一の大部屋生活で人間性が育つことや、通塾しなくても学習についていけるというを考えると、親が子どもを手放す勇気を持てさえすれば、子どもにとってはいいことの方が多いのかも知れませんね。
学校説明会では「就職の時、寮生活をしてきた経験が有利にはたらく」という情報もありました。やはり、大部屋寮生活を通して得た経験は、何にも変え難い人生の財産になりますね。
事前に連絡すれば学校・寮見学も可能だそうです。校長が案内してくださるとのこと。
函館旅行がてら、見学してみてはいかがでしょうか。
中学受験を応援しています。