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中高一貫校のメリットは学力が伸びること。志望校を選ぶとき、そう考える方は多いのではないでしょうか。
息子の受験のとき、ある学校の説明会で副校長がこう話していました。トップで入学した子より、最下位で入学した子のほうが伸びる。必死に頑張るからです、と。
学校の方がそうおっしゃるのか、と驚いたのを覚えています。
実際に息子を中高一貫校に通わせてみて、学校の名前と子どもの伸びは、必ずしも結びつかないと思うようになりました。
入ってみて分かった中高一貫校のメリットとデメリットを、順にお伝えします。
中高一貫校のメリット4つ
学習環境の質が高い
中高一貫校は6年間のうち、最後の1年をまるまる受験準備に充てられるといわれます。中学の範囲を超えて高校の内容もそのまま学ぶため、進度が早いのです。
学習指導要領の範囲を超えた指導ができる特例については、文部科学省「中高一貫教育の概要と設置状況」にまとめられています。
特に実感したのは理科でした。小学校で習った内容を軽く復習したあと、中学の内容を基礎にして、そのまま高校の内容へ進んでいきます。中1の段階で、もう高校の学習に入っているのです。
学年の枠で区切らずに進められるのは、中高一貫校ならではの強みだと思います。一方で、その速さについていけるかどうかは、お子さんによって差が出るところではないでしょうか。
周囲の意識が高い
学校によっては全国から生徒が集まります。親御さんも教育に熱心な方が多く、お互いに刺激し合える環境ではありました。
教員がその学校のOBというケースも多く、先輩としての経験を聞ける機会もあります。
手厚い指導
寮のある学校では、長期休暇の時期を他校とずらしている場合があります。繁忙期は飛行機のチケットが取りにくいという事情があるためです。
息子の学校では、早めに休暇に入っても1週間ほど補習がありました。ただ実際のところは「強制自習」というかたちでした。大学受験が近い高校生には、教科担任が少人数で授業をすることもあったようです。
手厚さは学校によってかなり違うと思います。説明会で「補習があります」と聞いても、その中身まで確認しておいたほうがよいのではないでしょうか。
大学進学実績がよい
一般的に、中高一貫校をはじめとする進学校の大学合格実績は良好です。実績は優秀な入学者を集めるための指標になるからです。
一方で、名前を知られている学校でも合格実績はいまひとつ、という場合もあります。中高一貫校のメリットとして進学実績を挙げるなら、知名度と実績は分けて見ておいたほうがよいと思います。
中高一貫校のデメリット3つ
課題が多すぎて自主学習の時間が確保できない
学校によっては、毎日の課題が多すぎて自主学習の時間が取れないという話も聞きます。
息子の場合は、寮に決められた自習時間がありました。学校の課題をこなすとその時間は終わってしまうものの、自主学習をしたい子は他の時間を使えば足りる程度の課題量だったようです。そう考えると、良心的なほうだったのかもしれません。
課題の量は学校選びの段階では見えにくい部分です。在校生の親御さんに聞ける機会があれば、確認しておきたいところではないでしょうか。
競争のプレッシャー
受験を経て集まっている以上、周囲は高い目標を持つ生徒ばかりです。常に競争があり、精神的な負荷がかかります。ご家庭からの期待も大きいとなれば、なおさらでしょう。
いい大学に入るため、将来のために今がんばる。そう信じて走り続けるわけですが、当事者にはその構図が見えにくいものです。
進路選択への干渉がある
メリットのところでも触れたとおり、学校は優秀な生徒に入学してほしいと考えています。そのため大学合格実績を重視することになります。
結果として、生徒本人の希望とは異なる進路を勧められる場面が出てくるようです。
進学先は本来、本人が決めるものだと思います。学校の方針と本人の希望がずれたとき、家庭としてどう向き合うかは、入学前に考えておいてもよいのではないでしょうか。
まとめ|合格はゴールではありません
中高一貫校のメリットは確かにあります。ですが、進めば将来が保証されるというわけではありません。大切なのは、お子さんの適性や目標、学習のスタイルに合っているかどうかだと思います。
遊びたい時期に、遊ばずに机に向かう。学習を選べば、捨てなければならないものも出てきます。それだけのものを差し出す価値があるかどうかは、学校の名前では決まりません。
我が家の場合、息子は中2で学校を離れる選択をしました。その経緯は【体験談】私立中高一貫校を自主退学|公立中から通信制高校へに書いています。
「あの学校に入れば安心」ではなく、「この子にはどの環境が合うのか」。志望校を考えるときに、その視点を持っていただけたらと思います。
合格は、ゴールではありません。
